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AI Weekly 2025-05-15

GPT-4.1 が ChatGPT で利用可能に#

日付:2025 年 5 月 15 日

OpenAI が GPT-4.1 を ChatGPT で直接利用可能にしたと発表。

出展:OpenAI on X

Gemini 2.5 の暗黙的なキャッシュ#

日付:2025 年 5 月 8 日

Google が Gemini 2.5 モデルで implicit caching を導入。これにより、明示的なキャッシュ設定を行わなくても、リクエストの先頭部分が過去のリクエストと共通していれば自動的にコストが削減される。2.5 Flash は 1024 トークン、2.5 Pro は 2048 トークンからキャッシュ対象となり、usage metadata にはcached_content_token_countが追加された。明示的キャッシュ API も引き続き利用できる。

出展:Gemini 2.5 Models now support implicit caching

Microsoft が Agent2Agent(A2A)プロトコルのサポートを発表#

日付:2025 年 5 月 7 日

Microsoft が Azure AI Foundry や Copilot Studio で、オープンな Agent2Agent(A2A)プロトコルのサポートを発表。A2A により、異なるクラウドやプラットフォーム、組織をまたいで AI エージェント同士が安全かつ柔軟に連携できるようになる。エンタープライズ向けのガバナンスやセキュリティも重視されており、今後のマルチエージェントシステムの基盤として期待されている。

出展:Empowering multi-agent apps with the open Agent2Agent (A2A) protocol

OpenAI がアジアでデータレジデンシーを導入#

日付:2025 年 5 月

OpenAI がアジア地域でデータレジデンシーを正式に導入。これにより、アジアのユーザーはデータを地域内に保管できるようになり、法規制やプライバシー要件への対応が強化される。企業や開発者にとって、より柔軟で安心な AI 活用環境が整う。

出展:Introducing data residency in Asia

AlphaEvolve 発表、自らアルゴリズムを改善する AI エージェント#

日付:2025 年 5 月 14 日

Google DeepMind が、Gemini モデルを活用した新しいコーディングエージェント「AlphaEvolve」を発表。AlphaEvolve は大規模言語モデルの創造性と自動評価システムを組み合わせ、数学や計算機科学の複雑な問題に対して新しいアルゴリズムを自律的に発見・最適化できる。Google のデータセンターや AI トレーニング、チップ設計など実際の現場でも効率化に貢献しており、今後は学術や産業分野への応用も期待されている。

AlphaEvolve は Gemini Flash で多様なアイデアを幅広く探索し、Gemini Pro でより深い洞察や最適化を行う仕組み。実際に、Google のデータセンターのスケジューリング効率を高める新しいヒューリスティックや、行列積アルゴリズムの高速化、AI トレーニングのカーネル最適化など、複数の分野で従来を上回る成果を上げている。

出展:AlphaEvolve: A Gemini-powered coding agent for designing advanced algorithms

Google AI Overviews の UX 調査結果が公開#

日付:2025 年 5 月 12 日

Google の AI Overviews(AIO)に関する初の大規模 UX 調査で、AIO が表示されるとデスクトップの外部クリック率は約 3 分の 1、モバイルでも半分近くまで低下することが判明。ユーザーの 7 割は AIO の上部 3 分の 1 しか読まず、88%が「もっと見る」をクリックしても平均スクロールはパネル全体の 30%にとどまる。25 ~ 34 歳のモバイルユーザーは AIO を最終回答とする割合が 2 件に 1 件と高い一方、年齢や検索意図によっては従来のリンクを重視する傾向も残る。AIO 後のクリック先は Reddit や YouTube などコミュニティや動画が多く、ブランドや権威性が信頼獲得の鍵となっている。

出展:The first-ever UX Study of Google’s AI Overviews: The Data We’ve All Been Waiting For

GitHub Copilot で GPT-4.1 がデフォルトモデルに#

日付:2025 年 5 月 8 日

GitHub Copilot で OpenAI の GPT-4.1 が新たなデフォルトモデルとして一般提供開始。従来の GPT-4o から置き換わり、コーディングや指示追従、理解力が大幅に向上した。Copilot Chat や Edits、エージェントモードで利用でき、開発現場での実用性がさらに高まっている。GPT-4o も引き続き選択可能だが、90 日後に廃止予定。

出展:OpenAI GPT-4.1 is now generally available in GitHub Copilot as the new default model

Cursor 0.5.0 リリース、価格体系刷新と新機能追加#

日付:2025 年 5 月 10 日

Cursor 0.5.0 がロールアウト開始。今回のアップデートでは、価格体系の刷新や複数の新機能追加が行われた。

出展:Cursor Changelog

統一価格体系と Max Mode#

従来のプランごとの複雑な料金体系を廃止し、リクエストベースのシンプルな価格体系に移行。全モデルで Max Mode が利用可能となり、トークンベースの課金で最大限の性能を引き出せる。長文や複雑なタスクにも柔軟に対応できるようになった。

Background Agent#

エージェントをバックグラウンドで並列実行できる新機能がプレビューとして追加。複数のエージェントが同時にタスクを処理できるため、大規模な修正や調査、ドラフト作成などの効率が向上。エージェントの状態確認やフォローアップも可能。

バックグラウンドエージェントは、Cursor 社の AWS インフラストラクチャ内で実行される。

新 Tab モデル#

複数ファイルにまたがる編集やリファクタリング、関連ファイル間のジャンプに強い新 Tab モデルを搭載。提案の自然さや応答速度も向上し、日常的な編集作業がより快適になった。

インライン編集の UI 刷新#

インライン編集(Cmd/Ctrl+K)の UI が刷新され、全ファイル編集やエージェント連携など新オプションが追加。長いファイルの編集も高速化され、部分的な編集や複数ファイル対応が容易になった。

コードベース全体の文脈対応とマルチルートワークスペース#

@folders でコードベース全体を文脈に含めることが可能に。大規模プロジェクトや複数リポジトリを横断した作業がしやすくなった。マルチルートワークスペースにも対応し、複数のプロジェクトを同時に管理できる。

チャットのエクスポート・複製#

チャット内容を Markdown 形式でエクスポートできるようになり、会話の複製機能も追加。異なるアプローチを試したい場合や記録を残したい場合に便利。

Visual Studio Code 1.100 リリース#

日付:2025 年 5 月 8 日

VS Code 1.100 はエージェントモードやチャット、検索、編集体験の各面で大幅な強化が行われたバージョン。AI 活用や拡張性、操作性がさらに向上している。

出展:VS Code 1.100 リリースノート

MCP による streamable HTTP・画像対応#

MCP(Model Context Protocol)で Streamable HTTP や画像生成に対応。エージェントモードやチャットでサーバーベースのツールや画像生成が利用できるようになった。

{
"servers": {
"my-mcp-server": {
"url": "http://localhost:3000/mcp"
}
}
}

参考:Use MCP servers in VS Code (Preview)

プロンプト・インストラクションファイルによるカスタマイズ#

Markdown ベースのプロンプトファイル(.prompt.md)やインストラクションファイル(.instructions.md)で AI の挙動を柔軟に制御可能。Front Matter でapplyTodescriptionを指定でき、コマンドパレットやエディターから直接実行できる。

.prompt.mdの例:

---
mode: 'agent'
tools: ['getCurrentMilestone', 'getReleaseFeatures', 'file_search', 'semantic_search', 'read_file', 'insert_edit_into_file', 'create_file', 'replace_string_in_file', 'fetch_webpage', 'vscode_search_extensions_internal']
---
Generate release notes for the features I worked in the current release and update them in the release notes file. Use [release notes writing instructions file](.github/instructions/release-notes-writing.instructions.md) as a guide.

.instructions.mdの例:

---
applyTo: '**/*.ts'
---
Place curly braces on separate lines for multi-line blocks:
if (condition)
{
doSomething();
}
else
{
doSomethingElse();
}

エージェント編集時の自動フォローアップ提案(Autofix diagnostics)#

エージェントモードで編集時にエラーが発生した場合、自動でフォローアップの修正提案が表示されるようになった。github.copilot.chat.agent.autoFixで制御可能。

会話要約・プロンプトキャッシュ#

長時間のエージェントセッションでも快適に利用できるよう、会話の要約やプロンプトキャッシュ機能が追加。

#githubRepo ツールによるリポジトリ検索#

Copilot Chat から#githubRepoツールを使い、ローカルで開いていない任意の GitHub リポジトリを直接検索可能。

カスタムインストラクション.instructions.mdで使用に関するヒントを示すことも可能。

---
applyTo: '**'
---
Use the `#githubRepo` tool with `microsoft/vscode` to find relevant code snippets in the VS Code codebase.
Use the `#githubRepo` tool with `microsoft/typescript` to answer questions about how TypeScript is implemented.

#extensions ツールによる拡張機能検索・インストール#

Copilot Chat から#extensionsツールを使い、Marketplace の拡張機能を検索・インストールできるようになった。

AI によるセマンティックテキスト検索(実験的)#

AI によるキーワード提案を活用したセマンティックテキスト検索が実験的に追加。関連コードの発見が容易に。

github.copilot.chat.search.keywordSuggestionsで制御可能。

Next Edit Suggestions(NES)モデル#

NES がデフォルトで有効化された。github.copilot.nextEditSuggestions.enabledで制御可能。また新しい NES モデルにより、より高速かつ高精度な編集提案が可能になった。

またgithub.copilot.nextEditSuggestions.fixesを有効化すれば、NES が JavaScript および TypeScript ファイルで不足しているインポート文の追加を自動的に提案する。

AI による HTML/Markdown の alt テキスト自動生成#

AI が HTML や Markdown の画像に対して alt テキストを自動生成。アクセシビリティ向上に寄与。Ctrl+.または

Google Sheets で Gemini による高度なアクションが可能に#

日付:2025 年 5 月 13 日

Google Sheets で Gemini を使い、ドロップダウンリストやピボットテーブル、フィルタなどの高度なアクションを素早く追加できるようになった。従来は手作業で設定していた複雑な表操作も、Gemini の提案を活用することで効率化できる。

この機能は、Google Workspace の Business Standard/Plus、Enterprise Standard/Plus、Gemini Education または Gemini Education Premium アドオン、Google One AI Premium で利用可能。

出展:Use Gemini in Google Sheets to quickly add dropdowns, pivot tables, filters, and more

Vercel が MCP サーバーのサポートを開始#

日付:2025 年 5 月 7 日

Vercel が Model Context Protocol(MCP)サーバーのデプロイと運用に正式対応。Node.js や Next.js アプリから MCP サーバーを簡単に構築できる@vercel/mcp-adapterパッケージも公開され、HTTP や OAuth 対応の新しいプロトコルもサポート。Fluid compute によるコスト削減や AI 推論・エージェントワークロードの最適化も可能になった。

出展:MCP server support on Vercel

Gemini Advanced が GitHub 連携に対応#

日付:2025 年 5 月

Gemini Advanced が GitHub との連携機能を追加。パブリック・プライベート問わず GitHub リポジトリを直接接続し、関数の生成・修正、複雑なコードの解説、コードベースに関する質問やデバッグなどが可能になった。プロンプトバーの「+」ボタンから「import code」を選び、GitHub の URL を貼り付けるだけで利用できる。

出展:GeminiApp on X

AI Weekly 2025-05-15
https://blog.ohirunewani.com/series/ai-weekly/2025-05-15/
作者
hrdtbs
公開日
2025-05-15
ライセンス
CC BY-NC-SA 4.0