Frontend Weekly 2023-07-14
Prettier 3.0
Prettier 3.0 が 2023 年 7 月 5 日にリリースされました。
https://prettier.io/blog/2023/07/05/3.0.0.html
CJK 及び西洋文字間のスペース
Prettier では今まで Markdown をフォーマットする際に韓国語を除き CJK と西洋文字間にスペースを追加していました。これが変更され、CJK と西洋文字間にスペースが追加されないようになりました。
CJK の禁則処理対応
中国語と日本語における特定の文字(。
や.
、 .
)を行頭または行末に使用しないようになりました。
また韓国語では、単語内での改行が行われないようなりました。これは単語が改行によって分割された後に、再フォーマットで改行がスペースに変換され、文章の意味が変わってしまうケースがあったそうです。
trailingComma のデフォルト値 変更
trailingComma のデフォルト値が es5 から all に変更されました。これにより ES5 で有効なオブジェクト、配列などの末尾のカンマに加えて、関数の引数などにもカンマが付くようになります。Prettier v2 では none から es5 への変更が行われました。
関数呼び出しで末尾のカンマを許可しない最後のブラウザである IE が 2022 年でサポートされなくなったため、この変更が行われたそうです。
typescript-eslint v6
2023 年 7 月 9 日に typescript-eslint v6 がリリースされました。いくつかのルールの削除や、ルールの設定変更、推奨設定の再構成などが行われたため、バージョンを上げる際は対応が必須です。
https://typescript-eslint.io/blog/announcing-typescript-eslint-v6/
量が多いので個別のルールの変更については紹介しません。公式のブログを読んでください。多くのルールを設定している場合、一旦全てのルールを削除して設定し直すことが推奨されています。
推奨設定の再構成
typescript-eslint v6 では、提供される推奨設定が新しくなりました。
- ベストプラクティスとコードの正確性のための設定:
recommended
: 雑に追加できる推奨ルールrecommended-type-checked
: 型情報を必要とするルールが追加されたものstrict
: バグを検出できるが主張の強いルールが追加されたものstrict-type-checked
:strict
に型情報を必要とするルールが追加されたもの
- 一貫性のある予測可能な構文使用のためのスタイル設定:
stylistic
: 雑に追加できるスタイルルールstylistic-type-checked
: 型情報を必要とするルールが追加されたもの
型情報を利用した型チェックを行なっている場合は、次のような設定が推奨されています。
module.exports = { extends: [ "eslint:recommended", "plugin:@typescript-eslint/recommended-type-checked", "plugin:@typescript-eslint/stylistic-type-checked", ], plugins: ["@typescript-eslint"], parser: "@typescript-eslint/parser", parserOptions: { project: true, tsconfigRootDir: __dirname, }, root: true,};
Firefox 115
Firefox 115 が 2023 年 7 月 4 日にリリースされました。弊社で開発されているサービスの多くは Firefox をサポート環境に含めていませんが、節目となるバージョンなので取り上げます。節目となる理由と、新規機能をいくつかピックアップして紹介します。
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/115.0/releasenotes/
https://developer.mozilla.org/ja/docs/Mozilla/Firefox/Releases/115
Windows 7/8 及び macOS 10.12/10.13/10.14 のサポート終了
Firefox 115 は Windows 7/8、macOS 10.12/10.13/10.14 をサポートする最後のバージョンです。そもそも Windows 7/8 については、Microsoft によるサポートに加えて Microsoft Edge 及び Google Chrome も 2023 年 1 月リリースを最後にサポートを終了しています。
Array.fromAsync のサポート
Safari 16.4 に続いてのサポートです。非同期イテレーターを配列に変換するメソッドであり、for await 相当の処理です。つまり順次実行されます。
ES2023 の Array メソッドをサポート
破壊的な変更を行わずシャローコピーされた要素を持つ新しい配列を返す Array/TypedArray のメソッド toReversed()
/ toSorted()
/ toSpliced()
/ with()
がサポートされました。これは既にほとんどの環境がサポートされており、MDN にも記載がある環境だとおそらく Firefox が最後です。
URL.canParse のサポート
URL.canParse()
は 2023 年に入ってから whatwg に加えられたもので、恐らく現状実装しているブラウザは Firefox ぐらいだと思われます。Node.js や Deno には既に実装があります。
URL.canParse()
を利用すれば、今まで try...catch
ブロックなどを利用せずに URL の有効性を確認することが出来ます。
URLSearchParams.has() value 引数のサポート
URLSearchParams.has()
及び URLSearchParams.delete()
メソッドで、オプショナルな引数 value
がサポートされました。サポート状況は、URL.canParse()
と同様です。
value
のサポートにより、同名の検索パラメータがある場合の操作が容易になりました。
{ const url = new URL("https://example.com?id=cat&id=dog"); url.searchParams.delete("id");
console.log(url.toString()); // https://example.com}
{ const url = new URL("https://example.com?id=cat&id=dog"); url.searchParams.delete("id", "cat");
console.log(url.toString()); // https://example.com?id=dog}
styled-components v6
2023 年 6 月 23 日に styled-components v6 がリリースされました。一部 API の形式が変わった他、型定義ファイルが内蔵されるようになりました。