AI Weekly 2025-07-17
Vercel の Grep が MCP server を提供
日付:2025 年 7 月 17 日
Grepが Model Context Protocol(MCP)をサポートし、AI アプリが 100 万の公開 GitHub リポジトリを標準インターフェースでクエリ可能に。Cursor、Claude、その他のエージェントでコード検索が HTTP 経由で利用できる。
Grep と同じインフラストラクチャを使用し、結果は数秒以内で返却。特定パターンや正規表現でコード検索、言語・リポジトリ・ファイルパスでフィルタリング可能。
Cursor での設定例:
{ "mcpServers": { "grep": { "url": "https://mcp.grep.app" } }}
Claude Code での設定例:
claude mcp add --transport http grep https://mcp.grep.app
ChatGPT agent、チャットから実行への統合エージェントシステム
日付:2025 年 7 月 17 日
OpenAI が ChatGPT agent を発表。Operator、Deep Research、ChatGPT を統合した統一エージェントシステムで、仮想コンピューター環境で複雑なマルチステップタスクを自動実行する。チャットから実行への根本的転換を実現。
カレンダー確認+最新ニュース基づくクライアント会議ブリーフィング、4 人分の日本の朝食材料計画・購入、競合他社 3 社分析+スライドデッキ作成などの包括的タスクを処理可能。ウェブサイト操作、コード実行、データ分析、Gmail・Google Calendar 等の外部アプリ連携が可能。
利用条件は Pro(400 回/月、順次解放)、Plus・Team(40 回/月、数日以内)、Enterprise・Education(数週間以内)。EU・スイスは規制要件クリア待ち。ツールメニューから「agent mode」選択または「/agent」で起動。
実行前のユーザー確認、途中での介入・停止が可能。金融取引は制限、プロンプトインジェクション対策を強化。スライドショー機能はベータ版で提供。
Gemini の月次アップデート Gemini Drops 開始、Veo 3 や Wear OS 対応を拡充
日付:2025 年 7 月 17 日
Google が Gemini Drops 月次アップデート企画を開始。Gemini アプリの新機能紹介とヒントを毎月提供する定期アップデート形式を導入。
7 月のアップデート内容は Veo 3 統合によりお気に入り写真を音声付き 8 秒動画クリップに変換可能、Wear OS 4+全対応でスマートフォン不要の手首アクセス、Scheduled Actions で毎朝のカレンダー要約・未読メール配信等の事前設定、Gemini 2.5 Pro のコーディング・科学・推論・マルチモーダルベンチマーク性能向上、Gemini Live キャプション機能追加など。
月次アップデート戦略により Gemini エコシステムの体系的拡張を推進。
VS Code v1.102、MCP 正式対応と Copilot Chat オープンソース化
日付:2025 年 7 月 9 日
VS Code v1.102 がリリース。MCP サポートの正式対応、GitHub Copilot Chat のオープンソース化、Copilot coding agent のバックグラウンド委譲機能、カスタムインストラクション自動生成など開発者ワークフロー改善の重要なアップデートを提供。
出展:VS Code June 2025 (version 1.102)
MCP(Model Context Protocol)正式対応
MCP サポートが一般利用可能に。MCP ビューとギャラリーでサーバーの簡単インストール・管理が可能。プロファイルと Settings Sync での統合により、MCP サーバーがファーストクラスリソースとして扱われる。
{ "python.useEnvironmentsExtension": true}
GitHub Copilot Chat オープンソース化
GitHub Copilot Chat 拡張が MIT ライセンスでオープンソース化。microsoft/vscode-copilot-chatリポジトリでソースコード公開。Agent mode、inline chat、MCP 統合の実装が参照可能で、コミュニティ貢献と透明性を実現。
Copilot coding agent バックグラウンド委譲
タスクを VSCode から直接 Copilot coding agent に委譲してバックグラウンド処理が可能。開発者は他作業を継続しながら、agent が独立してタスクを処理。VS Code 内で Copilot coding agent セッションを開始し、リアルタイムで進捗を監視できるようになった。
カスタムインストラクション自動生成
Chat: Generate Instructions
コマンドでプロジェクト固有の指示を自動生成。Agent mode がコードベースを分析してプロジェクト構造・技術・パターンを反映した.github/copilot-instructions.md
を作成。
# Command PaletteChat: Generate Instructions
Amazon S3 Vectors、クラウド初のネイティブベクター対応ストレージ
日付:2025 年 7 月 15 日
AWS が Amazon S3 Vectors プレビューを発表。クラウドオブジェクトストレージ初のネイティブベクター対応で、大規模ベクターデータセットの保存・クエリを最大 90%コスト削減で提供。RAG・ベクター検索アプリケーション開発の大幅なコスト効率化を実現。
専用 vector bucket と API でインフラプロビジョニング不要。vector index 単位でデータ整理、各 bucket で最大 10,000 indexes、index 当たり数千万ベクターに対応。メタデータ付与によりフィルタリング検索も可能。
ベクター挿入・検索例:
# ベクター挿入s3vectors.put_vectors( vectorBucketName="my-vector-bucket", indexName="my-vector-index", vectors=[ {"key": "v1", "data": {"float32": embeddings[0]}, "metadata": {"genre": "scifi"}} ])
# 類似検索query = s3vectors.query_vectors( vectorBucketName="my-vector-bucket", indexName="my-vector-index", queryVector={"float32": embedding}, topK=3, filter={"genre": "scifi"})
Amazon Bedrock Knowledge Bases、SageMaker Unified Studio、OpenSearch Service とネイティブ統合。ベクター検索・RAG アプリケーション・エージェントメモリ構築のコスト効率向上。米国・欧州・アジア太平洋 5 リージョンでプレビュー提供。
出展:Introducing Amazon S3 Vectors: First cloud storage with native vector support at scale
Windsurf、Google 移籍経て Cognition に買収され Devin と統合へ
日付:2025 年 7 月 11 日・14 日
Windsurf が AI 開発ツール業界で激動の週を迎えた。11 日に Google との合意で CEO Varun Mohan、共同創設者 Douglas Chen、R&D チームの一部が Google 移籍。その 3 日後の 14 日、残る Windsurf チームが Cognition(Devin 開発元)に買収されることを発表。
Jeff Wang 暫定 CEO によるチーム向けメッセージで「創設者とリサーチチームを失った混乱の中でも、エンタープライズ収益は四半期毎に倍増、数十万のデイリーアクティブユーザーを維持」と現状を説明。Cognition は$4B
評価、$300M
調達済みで世界最大企業に Devin を導入済み。
統合により「エージェント型 IDE(Windsurf)+ 自律エージェント(Devin)」の組み合わせを実現。エンジニアチームが Windsurf でタスク計画、Devin チームに作業委譲、最難関部分を Tab・Cascade 機能で処理する統合ワークフローを構築予定。
出展:
AWS が Kiro を発表、spec-driven development でプロトタイプからプロダクション対応 IDE
日付:2025 年 7 月 14 日
AWS が新しいエージェント型 IDE Kiro を発表。プロトタイプからプロダクションまでをカバーする spec-driven development 手法を採用し、AI 開発の品質と効率を両立する開発環境を提供。現在無料プレビューで利用可能。
Specs(仕様書)機能
単一プロンプトから要件を自動展開し、EARS 記法による受け入れ基準を生成。技術設計書(データフロー図、TypeScript インターフェース、データベーススキーマ、API エンドポイント)を自動生成。タスクとサブタスクの依存関係管理により、要件から実装まで一貫した開発フローを実現。
Hooks(自動化)機能
ファイル保存時の自動テスト更新、API 変更時の README 自動更新、コミット前のセキュリティスキャン等のイベント駆動自動化。チーム全体のコーディング標準を強制し、一貫性と品質管理を自動化。
Code OSS ベースで VS Code 設定・プラグイン互換、MCP 対応、マルチプラットフォーム(Mac・Windows・Linux)対応。プロトタイプから本番品質への橋渡しを実現する新しい AI 開発パラダイムを提供。
NotebookLM、専門家によるフィーチャードノートブック機能を開始
日付:2025 年 7 月 14 日
Google が NotebookLM にフィーチャードノートブック機能を追加。著名な著者、研究者、出版物、非営利団体と協力して専門的なノートブックコレクションを提供し、高品質な情報源へのアクセスを大幅に改善。
初期ラインナップ:
- Eric Topol の長寿アドバイス
- The Economist の 2025 年予測分析
- Arthur C. Brooks の人生構築アドバイス
- イエローストーン国立公園の科学ガイド
- Our World In Data の人間福祉トレンド
- Jacqueline Nesi の科学に基づく子育てアドバイス
- シェイクスピア全集
- 世界トップ 50 企業の Q1 決算レポート
各コレクションは NotebookLM の全機能を活用可能。元のソース資料を読むだけでなく、質問や特定トピックの深掘り、元資料に基づく回答と引用、事前生成された Audio Overview、Mind Maps 機能でのテーマ探索が可能。先月導入された公開共有機能により、過去 4 週間で 14 万以上の公開ノートブックが作成。フィーチャードノートブックと公開共有により、専門知識、解説、パブリックドメイン情報の探索・共有が可能に。デスクトップユーザーから順次展開開始。
Google 検索、Gemini 2.5 Pro・Deep Search・AI 通話機能を追加
日付:2025 年 7 月 16 日
Google が検索に Gemini 2.5 Pro、Deep Search、AI 通話機能を追加。より高度な AI 機能により検索体験を大幅に改善し、複雑な質問への回答とビジネス連絡の自動化を実現。
Gemini 2.5 Pro 統合により、複雑な質問や長い会話でも一貫した回答を提供。Deep Search 機能では、従来の検索では見つけにくい詳細情報や専門的な内容を深く掘り下げて検索。AI 通話機能では、レストランの予約や営業時間確認などのビジネス連絡を自動化し、ユーザーの時間を節約。
現在、米国ユーザーへの展開を開始。Google AI Pro および AI Ultra はより高い利用制限を享受。
出展:Dive deeper with AI Mode and get gaming help in Circle to Search
GitHub Copilot、Issue テンプレートの利用と Spaces でのファイルアップロード対応
日付:2025 年 7 月 16 日
GitHub Copilot の Issue 作成機能でプロジェクト固有のテンプレートを活用出来るようになった。
また GitHub Copilot Spaces でテキストファイル(.txt、.log、.json、.cpp など)や画像(.png、.jpg、.tiff など)のアップロードが可能になった。複数リポジトリの知識に加えてファイルを Spaces にアタッチしておくことで、より最適化されたチャットが可能になる。
出展:Support for issue forms in Chat and file uploads in Spaces
GitHub Copilot coding agent、インターネットアクセス設定機能を追加
日付:2025 年 7 月 15 日
GitHub Copilot coding agent にインターネットアクセス設定機能を追加。組織やエンタープライズ環境でのセキュリティ要件に応じて、agent のインターネットアクセスを制御できるようになった。
GitHub Copilot code review、今後の非推奨化と変更を発表
日付:2025 年 7 月 18 日
GitHub Copilot code review の今後の非推奨化と変更について発表。8 月 1 日に coding guidelines が copilot-instructions.md に統合され、9 月 1 日に完全廃止。8 月 6 日には「Request pull request review from Copilot」チェックボックスが独立した設定項目として移動し、より見つけやすく使いやすくなる。また、Copilot code review 専用のエンタープライズ・組織ポリシーが導入され、より細かい制御が可能に。