ホテルや民泊でリッチリザルトを表示するための構造化データについて

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構造化データとリッチリザルト#

Google 検索は、基本的にはSchema.orgで定義された構造化データマークアップをサポートする形でリッチリザルトを表示している。

Google がサポートする構造化データの種類は、Structured data markup that Google Search supportsに記載されている。

これらを利用することで、検索結果にリッチリザルトを表示することができる。

ホテルや民泊の構造化データ#

Schema.org では、それぞれホテルと民泊に対応する構造化データが定義されている。

https://schema.org/Hotel

https://schema.org/VacationRental

これらを利用すればいいと思われる。

ただし、民泊については、Google Search Central に”Google テクニカル アカウント マネージャーと連絡ができ、Hotel Center にアクセスできるサイトを対象としている。この機能は、特定の資格基準を満たすサイトに限定されており、統合を完了するには追加の手順が必要。“と記載されている。 また、民泊であっても Hotel の構造化データを利用しているサイトが多いようであるため、注意が必要である。

また、Hotel についても Google Search Central で特に言及があるわけではない。名前が出てくるのは 2024 年 3 月にベータ版として公開されたカルーセルくらいだと思われる。

Product は適していない#

構造化データについて調べるとProductについてのものが多く表示されるが、これはホテルや民泊には適していないと思われる。 少なくとも、不動産は対象外と 2023 年 8 月に言及されている

実際のサイトでの構造化データの利用例#

リッチリザルトテストを利用して、いくつかのサービスの構造化データを確認した。

Booking.com の場合#

次のページに対してテストを実行した。

https://www.booking.com/hotel/jp/na-xu-rizotoge-shi.ja.html

検出された構造化データは次の通りである。

  • パンくずリスト
  • よくある質問
  • 地域のお店やサービス
  • 組織
  • レビュースニペット

地域のお店やサービスと組織には、ホテル用の構造化データが利用されていた。

結果のプレビューの検索タイプ 2 は次のようになっていた。

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Agoda の場合#

次のページに対してテストを実行した。

https://www.agoda.com/ja-jp/apa-hotel-resort-tokyo-bay-makuhari/hotel/tokyo-jp.html

検出された構造化データは次の通りである。

  • よくある質問
  • 地域のお店やサービス
  • 組織
  • レビュースニペット

Booking と同様に地域のお店やサービスと組織には、ホテル用の構造化データが利用されていた。

結果のプレビューの検索タイプ 2 は次のようになっていた。

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一休.com の場合#

次のページに対してテストを実行した。

https://www.ikyu.com/00002130/

検出された構造化データは次の通りである。

  • パンくずリスト
  • カルーセル
  • よくある質問
  • 地域のお店やサービス
  • 組織
  • レビュースニペット

Booking や Agoda と同様に、地域のお店やサービスと組織には、ホテル用の構造化データが利用されていた。

しかし結果のプレビューの検索タイプ 2 は表示されず、検索タイプ 1 のタイトルと説明文のみの表示がされた。 ただ、これはあくまでシミュレーションであり、実際に検索結果に表示されるものではないため、不十分な内容があるとは限らない。

一休と他のサイトとの違いは軽く見た限りでは、画像を複数枚指定していること、説明文や価格の文章が他のサイトに比べて短いこと程度である。

まとめ#

ホテルや民泊の構造化データについては、Schema.orgで定義されたHotelを利用すればいい。

民泊については、本来はVacationRentalを利用すべきだと思われるが、Google Search Centralの記述によると、特定の資格基準を満たすサイトに限定されているため、注意が必要である。しかし、以前に元 Google の方が「民泊として出さないと評価されない」と言っていたのを聞いたことがあるが、実際のところ民泊であっても Hotel の構造化データを利用して表示されてしまっているページが多く見られるため不明である。

継続的な構造化データの管理#

リッチリザルトを有効活用するには、適した構造化データを利用するだけでなく、構造化データが Google に正しく読み取られることや、Google が更新を検知することも重要である。

  1. Search Console やリッチリザルトテストを利用して、構造化データが正しく読み取られているか確認する。
  2. サイトマップを Google に送信する。