なるべく低コストな小規模オンライン予約システムを探す
要望
なるべく低コスト、出来れば運用コスト 0 円で次のようなサービスを作りたいという要望を受けた。
- ユーザーが予約を取れる。
- 予約時に事前決済が行われる。
- サービスはオンライン上で行われるため、実施時に利用する通話サービスなどの URL を共有する。
- 想定されるユーザー数は最大でも月 10 人程度。
- 想定人数を超える場合はサービスを一時停止せざるを得ないため、スケールは考慮する必要がない。
- 予約は運用者の Google カレンダーなどに連携して確認しやすくしたい。
- 通話サービスの URL の共有などはメールアドレスなどが分かれば手動でも良い。
調査
初期費用が掛からないことは前提に予約と決済を連携できるサービスについて調べた。
Google カレンダー
Google カレンダー自体に予約スケジュールという機能があり、さらに Stripe との連携を公式が提供している。 また Google カレンダーで作成された予定に対して自動的に Google Meet の URL を発行することも出来るため全ての要件を満たせる。
https://support.google.com/calendar/answer/13762729?hl=ja
ただし、これはプレミアム機能であり、対象となる Google Workspace サブスクリプションを所持している必要がある。 つまり既に契約していない場合、最低でも月 1,360 円掛かる。
Square
決済サービスである Square は、Square 予約という予約システムも提供している。
https://squareup.com/jp/ja/appointments
決済と予約の連携はもちろん、Google カレンダーとの連携も可能である。 ただし、Google カレンダーの連携には、月 3,000 円のプラスプラン以上に加入する必要がある。 また、1 日あたり受付可能な予約数上限の設定もプラスプランからの機能である。
通話サービスの URL の共有については、予約時にメールアドレスが要求され顧客として登録されるようになっているため、後から手動で送信可能である。
STORES
キャッシュレス決済サービスを提供する STORES も予約システムを提供している。
月間予約件数 50 件までなら、決済と予約だけでなく Google カレンダーとの連携も一方的なものだが無料で利用できる。 しかし 50 件を超える場合、最も安いスモールプランでも月 9,790 円掛かる。
通話サービスの URL の共有については、スモールプランであれば ZOOM 連携機能が利用できる。フリープランでも、予約時にメールアドレスが要求され顧客として登録されるため、後から手動で送信可能である。
SelectType
予約システムである SelectType は、予約と決済の連携は無料でも可能だが、Google カレンダーとの連携には最低月 1,500 円の有料プランへの加入が必要。 また、無料プランではイベント作成可能個数が 3 個しかないことに加えて、広告も表示されるようなので商用利用には適していない。 加えて、月 1,500 円のベーシックプランでもイベントが 10 件までしか作れないため、多くのケースでは月 3,000 円のプランへの加入が必要だろう。
通話サービスの URL の共有については、無料プランでも会員システムを持っているようなので可能なように思える。
RESERVA
予約システムである RESERVA は、予約と決済の連携はもちろん、月間予約件数 50 件未満であれば、Google カレンダーとの一方向連携機能などのほとんどの機能を無料で利用できる。
通話サービスの URL の共有については、顧客管理機能を持っているのでフリープランでも可能である。
LivePocket - Ticket -
LivePocket は、デジタルチケット販売サービスだが、予約管理と同等のことが出来る。
https://t.livepocket.jp/regist_navigation/user
Google カレンダーとの連携機能はないようだが、月額料金などは掛からず、5%の販売手数料のみである。 また決済、顧客へのメール送信、告知ページなどの機能も無料で利用できる。
まとめ
今回の要望を満たす各サービスでの最安値は次のようになる。
サービス名 | 月額 |
---|---|
Google カレンダー | 1,360 円 |
Square | 3,000 円 |
STORES | 0 円 |
SelectType | 1,500 円 |
RESERVA | 0 円 |
LivePocket | 0 円 |
販売手数料はいずれのサービスでも 5%程度である。
今回は、コストとはじめやすさを考慮し、LivePocket が採用された。
LivePocket 以外のサービスでは、月額料金が掛かり、スケールに合わせてコストが高くなる。 そのため、要望に合えばスケールする場合でも LivePocket が最適であると言える。
既に Google Workspace を契約している場合は Google カレンダーを試してみてもいいかもしれない。