Siri AI、パーソナルコンテキストと画面認識
Apple は WWDC26 で Siri AI を発表した。次世代 Apple Intelligence と第 3 世代 Apple Foundation Models(AFM 3)を基盤に、会話型アシスタントを再設計したもので、iPhone・iPad・Mac・Apple Watch・Apple Vision Pro の利用者向けである。
主な能力は次のとおり。
- パーソナルコンテキスト: メッセージ、メール、写真などから予約番号や友人のレストラン紹介を引き出す。Spotlight 統合によりサードパーティアプリにも拡張可能。
- アプリ横断アクション: メールの下書き作成、複数写真の編集・共有など、複数アプリにまたがる操作を実行する。
- オンスクリーン認識: 画面上のテキストや画像について質問し、回答を Notes へのレシピ追加などに続けられる。
- ブロードワールドナレッジ: Web から最新情報を取得し、日食の観測地やアーティストの来日日程などに答え、追質問を重ねられる。
- 専用 Siri アプリ: iCloud で会話履歴をデバイス間同期し、Mac で始めた会話を iPhone や Watch で継続できる。
- Visual Intelligence: iPhone のカメラに Siri モードを追加し、レシート撮影から Apple Cash での割り勘や料理の栄養情報取得が可能。iPad と Mac でも画面上の選択から視覚検索とアクションが使える。Vision Pro では視線だけで起動できる 3D ビジュアライゼーションを提供する。
- ライティング: システム全体で下書き生成・校正・推敲を行い、Mail と Messages では相手ごとの文体や句読点の癖を反映する。
オンデバイス向けの AFM 3 Core Advanced を搭載する製品では、声色とペースを調整できる表現力の高い音声と、句読点・大文字・書式を自動処理する高精度なディクテーションが追加される。対象は iPhone Air、iPhone 17 Pro 系、12GB 以上の unified memory を持つ iPad(M4 以降)と Mac(M3 以降)、および Apple Vision Pro(M5)である。
プライバシー面では、オンデバイス処理と Private Cloud Compute(PCC)上のサーバーモデルを組み合わせ、PCC 利用時も個人データを Apple が保存・閲覧しない設計を維持する。AFM 3 は Google と共同で構築した 5 モデル構成(オンデバイスの AFM 3 Core・AFM 3 Core Advanced、サーバーの AFM 3 Cloud・ADM 3 Cloud (Image)・AFM 3 Cloud Pro)で、AFM 3 Cloud Pro は Google Cloud 上の NVIDIA GPU へ PCC を拡張して動作する。
提供状況は次のとおり。
- 開発者向けテスト: iOS 27、iPadOS 27、macOS 27、visionOS 27 で開始。watchOS 27 は将来のベータで提供予定。
- 一般ユーザー: 英語設定の対応デバイス向けに年内ベータ。Apple Beta Software Program 経由のパブリックベータは翌月から。正式機能は秋の無償ソフトウェアアップデートで配信。
- 対応デバイス: iPhone 16 以降、iPhone 15 Pro 系、iPad mini(A17 Pro)、MacBook Neo(A18 Pro)、M1 以降の iPad と Mac、Apple Vision Pro、Apple Watch Series 9 以降など。
- 地域: EU では Mac と Vision Pro で利用可能だが、iOS・iPadOS・watchOS では当面非対応。中国では規制対応のため提供されない。
- Apple Intelligence の言語: 日本語を含む 16 言語に対応。Siri AI の一般ベータは英語から開始し、他言語は順次拡大予定。